本年度事業計画

関東会・2026年度事業計画書

1.基本方針

 「地域のイノベーションは知財から」をスローガンに、知的財産を軸とした地域経済の活性化を推進することで、知財が社会の発展に深く根ざす「地域知財エコシステム」を構築し、新たな価値を創造する環境づくりに邁進します。
 関東会は、日本弁理士会の一地域会(所管する都道府県:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)であると共に、会内で最大会員数を有する地域会であることの責任と役割を認識し、常にチャレンジ精神を持って会務運営を行います。
 昨今、新たに顕在化した様々な社会課題を解決するためのアイデアやイノベーションの創出の過程で、知的財産の重要性を認識している事業者は決して多くなく、地域経済の活性化をより一層実効あらしめる上でも、多くの事業者等に対する知的財産の意識付けが重要となります。
 特に、中小・スタートアップ企業をはじめ、学校や関係機関等での知的財産の意識を高めるとともに、知的財産の身近な相談相手として、「知的財産と言えば弁理士」という認識がより広範に定着するよう、限られた人材や予算を考慮し、事業全体に亘る選択・集中を行いながら、弁理士の活躍の場を広げる活動を行います。このためには、地域に根差した会員及び各関係機関等との継続的な関係構築を図り、弁理士の存在意義を拡散するような地道な活動を行います。

2.重点事業

 関東会が所管する関東広域、都県毎、区市町村毎など地域のニーズを踏まえ、関東会が提供可能な人的資源や資金を効果的に活用します。また、日本弁理士会、特許庁、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)、日本商工会議所、及び中小企業庁により構成される「知財経営支援ネットワーク」のスキームにて、中小企業・小規模事業者や支援機関の「知財経営リテラシー」の向上と、中小企業等が抱える経営相談等に対して知財の観点からも効率的に支援を行います。
 以下の事業項目を中心に地域における喫緊の課題に対する知的財産によるアプローチ解決と持続的発展が可能な地域知財エコシステムの実現を目指します。


  • (1)知的財産普及活動
  • (2)知財創造教育支援
  • (3)相談事業の推進
  • (4)会員研修の企画・運営
  • (5)広報活動
  • (6)弁理士の日イベント、新年賀詞交換会
  • (7)会内課題の対応等

3.事業の概要

(1)知的財産普及活動

① 地域の自治体等との相互連携
 関東経産局、地域の自治体(都県区市町村)、関係機関(商工会議所、商工会、INPIT知財総合支援窓口、中小企業庁よろず支援拠点等)との連携を深め、各都県や地域の実情にあった事業をそれら関係組織の方々と共に検討し、共同事業又は独自事業を行います。また、知財経営支援ネットワークの枠組みを通じて、効果的かつ効率的な中小企業への知財支援を展開します。
(各都県委員会、中小企業・スタートアップ支援委員会)

② 「知的財産セミナー2026」の開催
 知的財産制度の普及と知財の利活用の推進を目的とし、地域知財の活性化に繋がる「知的財産セミナー2026」を開催します。開催に際し、開催地の自治体や商工会議所(商工会)等と連携し、さらに、相談会やセミナー参加者との交流会等を継続して行います。そうした活動の中で、知的財産の利活用や弁理士の有効活用への理解を深め、企業の事業活性化に生かしてもらうことを目指します。
(各都県委員会、中小企業・スタートアップ支援委員会)

③ 他士業との交流、連携
 他士業との交流・連携を行い、協調関係を通じて地域知財の活性化につながる事業を実施します。各都県で開催される士業交流会や士業合同相談会等へも参加します。
(各都県委員会)

④ 金融機関等との関わり
 地域の金融機関と連携し、中小企業への知的財産を活用した事業支援を強化します。そのためにも、金融機関等の職員への研修会やワークショップ等の実施に協力すると共に、金融機関等と連携しながら地域の中小企業を集めたセミナーや相談会の実施や人員派遣を行います。
(各都県委員会、中小企業・スタートアップ支援委員会)

⑤ 展示会や知財イベントへの参加
 地域で開催される展示会や知財関連イベントに対し、相談会の開催やPRブースの出展等を行います。
(各都県委員会、中小企業・スタートアップ支援委員会)

⑥ 弁理士紹介制度の活用
 外部組織、団体、企業等からの弁理士紹介の要請に応えるため、2021年度から弁理士紹介制度を運営しております。企業の「掛かりつけ医」的な存在として弁理士が企業に寄り添って支援できるよう、弁理士紹介制度の普及・定着を図ると共に、制度の安定的な運営ができるよう改善を図ります。また、東京都の「弁理士マッチングシステム」廃止に伴う受け皿として十分に機能できる体制を整えます。
(政策課題検討WG)

⑦ 知財勉強会の開催
 中小企業の実践的な知財活用支援の一環として、中小企業と弁理士等が気軽に意見交換できる定期的な勉強会の場である「知財サロン」を2024年度から開催しております。2026年度は、昨年度の課題等を踏まえ、継続して開催します。
(中小企業・スタートアップ支援委員会)

⑧ スタートアップ向けセミナーの開催
 過去、本会で実施していた企画をスタートアップが多く存在する関東会で継続的に実施します。
(中小企業・スタートアップ支援委員会)

(2)知財創造教育支援

① 知財授業の支援
 知的財産授業(出張授業)の依頼に対しては、学校現場のニーズを踏まえ、知財創造教育支援を積極的に行います。
 小中高の学習指導要領に「知財創造教育」が加わったことにより、低年齢層から知財創造教育が実施されています。小中高生がより興味を抱く授業を実施するため、小中高生の視点に立って授業内容やコンテンツのリニューアルを行います。
(知財創造教育支援委員会、各都県委員会)

② 大学等への寄付講座
 2026年度は、横浜市立大学と茨城大学に対し、更に連携を深めながら寄付講座(3年目)を実施します。
(神奈川委員会、茨城委員会)

(3)相談事業の推進

① 常設知的財産相談室運営事業の推進
 常時2名体制で常設相談室を開設しています。直接対面する相談だけでなくWeb会議システムを利用した相談等、多様な形態で常設相談室の運営を行っていきます。また、相談室の周知活動については費用対効果を意識して実施します。
(相談室運営委員会)

② ほか相談事業の推進
 各都県における知財総合支援窓口等での知財相談に加え、自治体や商工会議所等と連携して地域の事業者や個人が利用しやすい相談会の企画実行を図ります。特に、「知財経営支援ネットワーク」による過不足の無い、地域社会への相談機会の提供や相談対応の質的向上を図ります。
(総務WG、各都県委員会)

(4)会員研修の企画・運営

 会員のニーズや弁理士を取り巻く環境変化(経済情勢、知財情勢)に応じた研修を会員に提供します。研修形態としては、ライブ配信、eラーニング、集合研修などの最適ミックスにより、効果的な研修機会の提供や研修内容の充実を図ります。
(研修対応委員会、各委員会)

(5)広報活動

 ホームページを活用し、地域知財の活性化に役立つ情報及び知財教育に関する情報等をタイムリーかつ効果的に発信します。例えば、関東会圏内の地域企業が取り組む知財活動の事例紹介「かつやくする知財」、知財制度に係る様々な知識を組み込んだ「弁理士コネクト」の改修、イベント情報の発信など、コンテンツの充実を図ります。また、XやFaceBookを活用したSNSでの広報活動も実施します。イベント出展では分かり易いタペストリーやロールアップバナースタンド等のリニューアルも検討していきます。
(広報委員会、中小企業・スタートアップ支援委員会、知財創造教育委員会、
各都県委員会)

(6)弁理士の日イベント、新年賀詞交換会等

① 弁理士の日イベント
 弁理士の日のイベントを継続して企画・実施します。2026年度は、関係自治体や関係機関の後援を頂いて、千葉県で開催します。
(弁理士の日記念イベント実行WG)

② 新年賀詞交換会
 新年賀詞交換会は、地域での関係組織(地方自治体、商工会議所、商工会、発明協会、大学、他士業等)との交流を深め、地域の事情を踏まえた意見交換もでき、非常に有意義なものです。2025年度は千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、神奈川県で開催しましたが、2026年度は、前年の実績等を考慮し、東京都を除く全県での開催を検討いたします。
(各県委員会)

③ 関東会設立20周年記念事業
 2025年度の関東会設立20周年記念事業(記念講演会、記念式典、記念祝賀会)後となる2026年度は、関東会設立20周年の記念誌を作成します。
(20周年記念事業実行委員会)

(7)会内課題の対応等

① 都県活動の促進
 各都県における活動については、地域性を尊重し、地域に根差した知的財産活動の定着を目標に展開していきます。
 そのためには、地域の実情を踏まえた各都県委員会の独自の活動を促進し、必要な予算配分を行います。
(各都県委員会)

② 会務参加の推進
 関東会会員の会務活動に参加する機会を増やすため、従来より開催している新人歓迎会、集う会、工場見学会等を企画します。地域弁理士の交流の場を提供し、多くの仲間と共に地域知財の活性化と弁理士業務の活性化に繋げます。
(企画及びサービス委員会、各県委員会)

③ 情報共有と連携
 本会執行部との情報交換の場である「語る会」等を開催し、本会と関東会との情報共有を図るとともに、喫緊の課題への対応について連携を強化します。
 まず、首都直下型地震をはじめ、首都圏災害対策として本会防災会議と連携して対応を強化していきます。
 他の地域会と各種事業に係る情報交換を行い、各種事業の改善や地域会間の連携により、地域知財の活性化に貢献します。
(総務WG等)

以上