小中高生向け知的財産授業 報告
東京
知的財産特別授業「中央区立教育センター」
- 日時
- 2023年7月26日(水) 14:00~16:00
- 対象者
- 小学5年生 19名
- 会場
- 中央区立教育センター
- 講師
- 藁科 えりか、谷島 隆士、太田 努、原田 潤子
- 授業
- 概要は以下のとおり。
1.座学(30分)
2.移動時間(15分)
3.工作1(45分):「片手で持てるかな?」
4.工作2(20分):「フライングディスク」
5.感想文記載、提出、事務連絡など(10分)
各詳細は以下のとおり。
1.座学(30分)
担当講師ごとに分担しながら視聴覚室で行った。まず、発明や特許とは何かの説明を、谷島委員から音声入り紙芝居を交えながら紹介した。次いで、発明の具体例として太田委員からは動画を用いて「弱いロボット」を紹介し、藁科委員からは模型を用いてカップヌードルの技術紹介を行った。
2.移動時間(15分)
実験室への移動がてら、廊下に準備された発明協会様の「本物・偽物展」を見学した。実験室移動後は、座学で紹介した「泡で出るハンドソープ」(ビオレお花・肉球型の泡スタンプハンドソープ)を試しながら手洗いを行った。
3.工作1(45分):「片手で持てるかな?」
実験室で「片手で持てるかな?」の工作を行った。紙コップ、紙皿、方眼紙、割りばし、ストローなどを使用して、ジュースとポップコーンとを同時に片手で持つことのできるものを自由に作成していただいた。
設計図を描いてから工作する生徒や、作りながらどんどん発想を膨らませていく生徒など、各々がそれぞれのやり方で進めていた。早いうちに完成したという生徒も、「もっとよくできる?」との声を受けて、さらに改良をしようと意欲的に取り組んでくださった。
中には「(ジュースとポップコーンを片手で持てる道具は)すでにあるじゃん」と頭を悩ませていた生徒もいたが、終わってみればどの作品にも独創的な部分があり、さすが5年生といったところだった。最後に、希望者に作品を発表していただいた。
4.工作2(20分):「フライングディスク」
実験室で「フライングディスク」の工作を行った。試行錯誤する工程を楽しんでもらうべく、工夫した点や飛距離をメモできるワークシートを配布し、1mおきに目印のテープを貼った廊下で飛行テストを行えるようにした。生徒は、工作と飛行実験を繰り返し「軽すぎると飛びづらい」などの発見をしながら、改良を重ねていた。異なる紙皿を組み合わせて二重にしてみたり、中空形にしてみたりするなど、工夫をしながらうまく飛ぶ形を探究していた。
5.感想文記載、提出、事務連絡など(10分)
生徒の皆さんに感想文を提出していただき、日本弁理士会からはどうぶつクリップペンのノベルティをお渡しした。
■担当講師の感想
発明協会様の「本物・偽物展」は、正規品と模倣品とを並べて展示していたもので、大人が見ても楽しめる内容だった。中には子どもに人気のキャラクター製品の模倣品もあり、どちらが本物かを楽しみながら推理する様子がうかがえた。知財への関心を高めるよいきっかけになったのではないかと思う。
また、いただいた感想文を見ると、最後のフライングディスク工作を楽しんでくれた生徒が多いようだった。実際、講師から見ていてもフライングディスク工作の時間は誰もが活発に取り組んでいて、頭も身体もフル回転させている様子が見てとれた。特に、なぜフライングディスクが飛ぶのかを考えることを楽しんでいる生徒が多く、終わりの時間が来てもほとんどが工作を続けたがっていた。
一方で、「片手で持てるかな」の工作や座学の内容に触れた感想文も多かった。「片手で持てるかな」は自由度の高い工作であり、創意工夫できる幅が広かったことが生徒の印象に残ったのかもしれない。座学についても、一方的な講義ではなく生徒に考えてもらいながら進める形式としたことがよかったのではないか。全体的に、ただ単に「楽しかった」の感想で終わるような授業とはならなかったようで安心した。
知的財産特別授業「世田谷区立深沢小学校」
- 日時
- 2023年7月25日(火) 14:00~15:30
- 対象者
- 小学生37名(申込40名、当日欠席3名)
(内訳:1年生12名、2年生12名、3年生8名、4年生7名、5年生1名) - 会場
- 世田谷区立深沢小学校
- 講師
- 太田 努、高橋 洋平、大久保 真己
- 授業
- 今回の発明工作授業では「空飛ぶおもちゃ」について「どうやったら安全に飛ばせるか」をテーマに実施しました。当日は猛暑の中、参加者の小学生たちは午前中に校内の屋外プールで遊んでいたらしいので、脱水症状対策として持参した水筒で適宜水分補給をしてもらい、いつでもトイレを利用してよいことを徹底して授業を進めました。
授業時間は14:00スタートの90分間。まずは冷房の効いた工作教室内において最初の約10分間で電子紙芝居「パン職人レオ君の物語」の前半部分を参加者の小学生に視聴してもらい、その後の約10分間で、本日工作予定の「空飛ぶおもちゃ」の材料紹介や安全に遊ぶための工夫の具体例の問いかけ、「工夫が発明(特許)・意匠・商標になるんだよ」といった知的財産権の基本知識を簡単に説明しました。
14:20~14:50に発明工作を行いました。昨年の受講者が数名いたこともあり、9割くらいの生徒がすぐに工作をスタートさせました。何を作成したらよいか戸惑っていた1割の生徒には「どういう形だと飛ぶかな?」、「どうしたらほかの人に空飛ぶおもちゃがぶつかっても痛くないかな?」といった作業のきっかけを与えて工作を促しました。生徒の中には様々な形を空飛ぶおもちゃに付加する子もいれば、いろいろな絵や模様を施したり、シンプルな形状でさっさと工作を終わらせる子もいたりと、様々な空飛ぶおもちゃが作成されました。
工作後に5分ほど休憩を取った後、15:00から工作教室の隣にある冷房完備の体育館に移動し、空飛ぶおもちゃを実際に飛ばしてみました。数メートルで落下してしまうものもあれば、15メートルを超えて飛ぶものもあり、また、さらに改造して飛距離を伸ばしてみたりと、生徒たちは楽しそうに空飛ぶおもちゃを飛ばしていました。
15:20になったら工作教室に戻り、今回の授業の感想を書いてもらいました。生徒たちは今回の授業を楽しんでくれたようで「楽しかった」という感想を多数いただきました。
■ご依頼者様のコメント
授業後に担当者から送付されたメール文を以下に引用します。
「子ども達の感想を見ますと、難しかったけど楽しかったという声が多く、考え出す事に苦慮しながらも作り、改良することでより飛ぶようにできた…と達成感を得たのではないかと思っています。子どもたちから、来年も!という声もあり、またご相談させてください。」
■担当講師の感想
発明工作を楽しんで取り組んでくれたようで何よりです。小学1~5年生までの幅広い年代の子供たちがいたため、電子紙芝居や工作に集中させることが難しい場面もありましたが、子供たちは講師の言葉に素直に耳を傾けてくれたので、スムーズに授業を進められました。
神奈川
知的財産特別授業「横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校」
- 日時
- 2023年8月9日(水) 11:15〜12:25
- 対象者
- 高校1・2年生 男女 50人前後
- 会場
- 横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校
- 講師
- 岩永勇二、高原千鶴子
- 授業
- 横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校は、横浜市にある公立の理数科高校で、通称は、「YSFH」「サイフロ」と呼ばれています。2009年に京浜臨海部研究開発拠点の横浜サイエンスフロンティア地区に設立された新しい高校で、初年度の受験倍率は5倍を越えるなど、県下公立高校では高倍率になっています。また、文部科学省から、「スーパーサイエンスハイスクール」「科学技術人材育成重点枠指定校」「スーパーグローバルハイスクール」に指定された他、横浜市教育委員会からも進学指導重点校に指定されています。
理数科高校としては、在籍数が以下の女子が約3分の1を占める稀な高校です。
男子 高校1年生:157名・高校2年生:154名
女子 高校1年生: 79名・高校2年生: 83名
授業は、担当の田川貴章先生との打ち合わせにより、キャリア教育を行いました。
岩永は、知的財産権と産業財産権の違い、産業財産権の取得事例、事前質問に対する回答(下記①、⑤~⑦、他の質問への回答は時間が足りず説明省略)、パテントコンテスト・デザインパテントコンテストとその入賞作品の紹介、知的財産権の重要性、弁理士の仕事、裁判所調査官の仕事、弁理士試験について説明を行いました。
高原は、弁理士の試験勉強、理数が得意でなくても弁理士として通用する、弁理士の男女比率、仕事で海外13ケ国への訪問、海外セミナーの講師、INTAの紹介等のキャリアの説明(高校生からの事前質問を含め)、併せて、知的財産権(商標・意匠・著作権)の授業を行いました。
【高校生からの質問事項】 ※特許は、特許・商標と読み替えて質問に答えました。
①今まで出願した特許などの知的財産で、面白かったものおよび風変わりなものはなんですか?
②トラブルがあった事例も興味があります。
③高校時代に「こんなスキルをみにつけておけばよかった!!」みたいに思ったことはありますか?
④弁理士になることにした動機
⑤どんな仕事かあまりよくわかっていないので詳しく教えてほしいです。
⑥AIに仕事を奪われる可能性はあると思いますか?
⑦印象に残っている特許はありますか?
■生徒の感想 (一部)
ほんの5分くらいの時間で書いてもらって回収したのですが、色々な興味ある感想が出て来ました。一部ですが抜粋して掲載します。
・情報の授業できいていた話を生できけて面白かったです。○○士と付くので理系なのかな?と思いましたが、英語や文章作成など文系の能力が必要だということにやはり全部やらないといけないのだと思いました。とても面白い話が聞けて楽しかったです。
・弁理士と言う言葉は少し聞いたことがあったけれど、どんな仕事なのか全くわからなかったので、今日、話を聞いてよかったです。特に驚いたことは、外国からの仕事や外国と関わることがあるということです。その他、様々な特許をとったおもしろい発明やエピソードを聞けてもっと知りたくなりました。もっと、自分で調べようと思います。
・海外や海外の方との仕事があると知らなかったので、英語をもっと頑張ろうと思いました。先生方が自分のしごとに自信を持って取り組んでいて自分もそのような職業に就きたいと思いました。
・最近のドラマで弁理士について少し知っていましたが、今回のお話をきいて、くわしい仕事内容や苦労すること、将来役立つことまでたくさんのことを知ることができました。商標と知的財産権の違いをしらず、ずっと同じものだと思っていたので理解できてよかったです。
・技術には深く興味があるので、発明に広く深く携わることができる弁理士という職業はとても魅力的に思えました。自分も研究を深めて特許コンテストに出してみようと思いました。
・自分は自動車とか乗り物に興味があって特許に興味があったのですが、デザインは意匠権、マークや名前は商標権ということやボディなどでも別々にとったり、国などで違うということを知ることができてとてもよかったです。自分が気になったのは、日本と海外との法律(権利の及ぶ)の違いについて疑問に思いました。
・「なるべく広い権利がとれるように」と考えるというのは、なるほどと思いました。書かれた法律とかに基づいて仕事をする弁護士さんとかの考え方も聞いていたので、文章を作る側の思考回路もしることができたのは面白かったです。そもそも、弁理士とは?と言うところからでしたが、色々(知らなかったこと、コミュニケーションの大事さ、大きなお金の動きがあるから信頼が必要なことなど)を知れて、知らなかった世界が知れて面白かったです。
■主催者の感想
・夏休みの間に行う、希望者のみが受講する教養講座での実施でした。本校は理系の個人研究を行う学校で、研究者を志す生徒も多くおります。知的財産については敏感でなければならないため、ぜひ、お話を伺いたいと考えて授業を申し込みました。
・一般に「弁理士」という資格やお仕事の内容についての生徒の認知度が低いために、今回の授業に対する生徒の期待度はかなり高かったように思います。弁理士の先生方のお仕事がとても身近に感じられるお話で、生徒たちもとても前のめりになって聞いていたような印象でした。さまざまな方が資格を持って活躍されておられることや、弁理士の皆さんによって特許が認められ、権利や利権が守られることを知ることによって、社会のしくみについての知識や、自らのキャリアについての視野が広がったように思います。
・私としても勉強になる話が多くて、先生方からお話が聞けて早速、明日の授業から使える材料を頂きました。ありがとうございます。今後とも、長いお付き合いを頂ければ幸いに思います。
■担当講師の感想
≪岩永の感想≫
開校した年(2009年)に一度、知財授業に行って以来、約14年ぶりに知財授業を行なわせていただきましたが、当時と変わらず、生徒たちの理解の早さ・集中力等には目を見張るものがありました。授業後の質問も、授業をよく聞いていなければ出来ない質問ばかりで、その質問内容に感心しました。また、夏休み中の自由参加の授業であるにもかかわらず、50人前後が参加するという生徒たちの学習意欲の高さにも驚かされましたが、このような企画を計画・実行し、参加するように導いた担当の田川先生の行動力・生徒愛にも感銘・敬服するばかりでした。
≪高原の感想≫
授業をしていて、生徒たちの本当に熱い眼差しを受け、また、質問を受けて、あっという間の30分でした。弁理士は海外の弁理士との交流があり、また、権利が海外にも関わっていると知り、弁理士に興味を持ちましたので、もっと英語に頑張ろうと思います、との生徒さんの感想文がありましたが、今回の授業を楽しく、また、ある程度期待を裏切らないで実行できたことに安堵いたしました。今後は、弁理士の認知度を高めるために、知財工作・授業と併せて、弁理士のキャリア授業も取り入れて行うのが良いのではないかと感じました。
知的財産特別授業「緑区市民活動支援センター「みどりーむ」」
- 日時
- 2023年8月5日(土) 10:00~12:00
- 対象者
- 小学1年生 1名、小学2年生 2名、小学3年生 1名、小学6年生 1名 ※それぞれ親御さんがいらっしゃいました。
- 会場
- 緑区市民活動支援センター「みどりーむ」
- 講師
- 谷島委員、高原委員
- 授業
- ・講義(50分)
最初に発明や特許のことを知ってもらう目的で、「レオ君奮闘記吹替え(自動再生)」を上映した。会場のプロジェクターの調子が悪く、自動音声が再生できなかったので、スライドに合わせて谷島委員が1人で全キャラクターとナレーションを演じた。
次に、身近にも発明品があることを知ってもらうため、花王のビオレU泡スタンプハンドソープができるまでの物語を話し、1つの発明が改良されて新たな発明へと続くことを説明した。発明工作でフライングディスクを取り扱うことになっていたので、改良を積み重ねることでどんどんいいものができるという布石として話した。その他、ご飯がつきにくいおしゃもじ(マジックじゃもじ)やくねくねした手すり(クネット)、鬼滅の刃の刀(武器玩具)の紹介もした。
参加者のノリが良かったので、予備的に準備していた「クイズ日本人の発明はどれだ」を実施した。
・発明工作(60分)
10分の休憩後(休憩時間に泡スタンプハンドソープを体験してもらった)、フライングディスクの発明工作を行った。講義開始前の準備時間で教室のそとのホールにカラーテープで10mのラインを引き、1m間隔で印をつけておき、作成したフライングディスクの飛行テストエリアを用意しておいた。
最初に紙皿のままどれくらい飛行するかを確認し(あまり飛ばないことを認識させる)、飛距離を伸ばすことを目的にして、工作を始めてもらった。ある程度工作が進んだ段階でテスト飛行を行い、距離が伸びたか、または伸びなかったかを確認しながら改良を継続していった。子供たちが飛んだ理由や飛ばなかった理由を高原委員やご両親と話し合いながら進めていたのがほほえましかった。
■担当講師の感想
参加されたお子様たちはみな元気で、かつ積極的な発言もあり、とても進めやすかった。人数も少なかったので、飛行テストの回数も多くでき、また改良のポイントについて一人一人にコメントできる環境だったので、良かったと感じました。
また、ご依頼元のご担当者の方と事前に内容についての打ち合わせをさせていただき、当日の準備のご協力もしてくださったので、やりやすかったです。
知的財産特別授業「横浜市十日市場地域ケアプラザ」
- 日時
- 2023年7月31日(月) 10:00~11:30
- 対象者
- 小学生16人、保護者6人
- 会場
- 十日市場地域ケアプラザ 多目的ホール
- 講師
- 高原千鶴子
- 授業
- ●知財工作の内容「ペン立て:
夏休み子ども体験工作として、ペン立てを作りました。ペン立てを作るための準備として以下の内容の授業を行い、最後に、発明で工夫した点を全員に発表してもらいました。
・知財授業「発明ってなあに」(20分)
・自分だけの「ペン立てを作ろう」参考用資料(5分)
・発明工作「ペン立て」(40分)
・発明工作で工夫した点の発表(20分)
・感想文(5分)
弁理士会の方針として、「皆さん。さあ同じものを作りましょう。」というものではなく、自分だけのオリジナルなものを作ろうというコンセプトが我々の知財授業ですので、生徒さんの脳に「ハット」ひらめくものを起こすために、以下の知財授業「発明ってなあに」を行いました。
①発明とは、生活の中の「ちょっとした不便」を解決することで、今あることから簡単に思いつかない新しいことが必要。②発明に挑戦してみよう、ということで、丸型の鉛筆が机の上を転がって床に落下してしまう問題をどうしたらよいかという問題の提起。③小学生と中学生の発明紹介。
④発明したのは日本人または外国人?
最初、生徒さんは、何を、どうしたら良いのだろうと思って少し戸惑いが見られて手が動かなかったのですが、時間がたつにつれて、熱心に、画用紙やダンボールと取り組み始め、他の生徒さんの工作物を覗いたり、真似したり、邪魔することがなく、皆楽しそうに「ペン立て」を作り終えました。その後の工夫した点の発表は、全員にお願いしたところ、1人も嫌ということなく、大きな声で発表ができたのには驚きました。
●生徒の感想 ほぼ原文のまま
1年生:楽しかったしいろんな工作ができてうれしかった。また来たいです。
2年生:私のペンケースの工夫したところは、シ-ルの台紙を紙コップでつくったことと、中に消しゴムなどがおけるように小さな中を作ったことです。
3年生:いろいろな勉強や工作をしてとても楽しかったです。またいろいろな工作や勉強をしてみたいです。
4年生:私はいろんなことが知れて工夫して工作できて楽しかったです。これからも、不便なことがあったらこのように色々作ってみたいと思いました。これがきっかけで色々考えられるようになりました。
5年生:初めてやったのでとても楽しかったです。工夫してペン立てを作るのは、思ったより難しかったです。でも納得できるペン立てをつくれたので嬉しかったです。
6年生:どういうのを作るか考えるとき実現するものしか思い浮かばなくて、1から考えるということがどれほど難しいか理解できたし、便利とか困ったことを解決するってたいへんなんだって思えました。
●保護者の感想
・本日は有難うございました。親子で工作(発明品=使い易さ、便利さ)の体験ができる機会を作って頂き有難うございました。参加したお友達の作品を見てその違いを発見したりできました。この経験が将来に生かせる子供達の成長のはげみになったことと思います。
・発明に関するお話は、クイズなどを交えて子供達も楽しく勉強することができました。工作もいろいろな材料をご用意頂き、子供が夢中になって取り組んでいました。
・発表は少しドキドキしたようですが、良い経験になりました。有難うございました。
●主催者の感想
知財授業のときの子供たちの話を聞いているときの真剣な表情やクイズを楽しみながら取り組んでる姿勢が印象に残りました。また、子供達は、最初どういうものを作ったらよいか考えているので、出だしは少し時間がかかったように思いました。しかし、作り始めたら、夢中になって黙々と工作に取り組む際に他の友達のものを見ることなく、自分で考えて作成している取り組みが見られ、将来の何かのきっかけの一つになったらいいなと思って開催した趣旨に合っていて良かったと感じました。
茨城
知的財産特別授業「ひたちなか市立東石川小学校」
- 日時
- 2023年8月5日(土) 09:00~12:00
- 対象者
- 41名(小3:15名,小4:5名,小5:5名,小6:1名,保護者:9名.指導員:6名)
- 会場
- ひたちなか市立東石川小学校 1F 図工室
- 講師
- 遠田利明、佐藤さおり、佐藤高信
- 授業
- 茨城県ひたちなか市にて、ひたちなか少年少女発明クラブの皆さまを対象に、電子紙芝居、クイズ(発明、特許に関する講義)、及び発明工作を行いました。はつめい工作教室は、昨夏以来の1 年ぶりの開催となりました。
はじめに、パン職人レオ君奮闘記の電子紙芝居を見ていただき、課題の設定、具体化(解決手段)、特許取得、及び特許権に基づく模倣品の防止についての理解を深めていただきました。
次いで、電子紙芝居を題材にクイズ形式にて、特許を取得するためには、発明を文章にて表現する必要があることや、あいまいな文章では当事者間の紛争のもとになること、また、特許権を広く取得するためには、文章にどういった工夫を施せばよいかなどについて説明いたしました。講義では、特許要件として、新規性及び進歩性を有する必要があることについても、勉強していただきました。そして、そもそも発明(アイデア)は、どうしたら生まれるかについて、偉人を例に説明し、生まれた発明を具現化する手段の一例として、自然をモチーフにした発明についても紹介いたしました。講義の最後には、小学生の発明品(空き缶分別箱)を紹介しました。講義中、子供たちからは、積極的に様々な質問をいただきましたが、その内容の高さには、ビックリしました。
発明工作では、「はっぴょんを渡らせよう」をグループ形式で行いました。今回は、単に橋などを作成して「はっぴょん」を渡らせるのではなく、グループごとに課題を設定していただき、その課題を解決する手段を考えていただきました。「遠い町まで『はっぴょん』を運ぶには?」、「両岸にいるそれぞれの『はっぴょん』を、それぞれの対岸に渡らせるには?」、「『はっぴょん』を少ない材料で(お金をかけずに)渡らせよう」、及び「緊急時はどうする?」など、グループごとに様々な課題が見いだされ、その課題を解決するための多様な手段(発明)が生まれました。
その後、グループごとに、自分たちの作品について発表していただきましたが、子供たちは、救護班や節約班といった作品のネーミングとともに、誇らしげに自分たちの作品をアピールし、その姿は、たいへん頼もしかったです。最後に、全員で写真撮影を行いましたところ、子どもたち及び父母にはたいへん喜んでいただき、うれしく思いました。
■子供たち、保護者、及び指導員からの感想
子供たち、保護者、及び指導員(主催者)の方々から、例えば、以下の感想をいただきました。
・はっぴょんをわたらせるためにたーざんろーぷを作りました。とちゅうでひっかかったけどできてたのしかったです。
・(作品を)こわしたくはなかってけど、いい思い出ができました。またこんどやりたいです。
・とっきょのことをよくわかったし、工作も楽しかったので、おもい出になりました。
・特許について、わかりやすい授業をして下さってありがとうございました。各グループでのアイデアを作品にする事で互いにアイデアを出し合い協力し、1つの作品を作るという事がとても素晴らしいと感じました。
・工作が楽しくて、アイデアを形にしていくのが面白かったです。
・普段から困っている事を気にしてみようと思いました。子供とどうしたらよくなるのか・・・と考えることを習慣にしてみるのも今の時期しかできない事だし、貴重な時間になるのだなぁと思いました。
・充実した教室が開催できたこと、本当にありがとうございました。
■担当講師の感想
子供たちは、発明、特許に関する講義について難なく理解することができ、子供たちのレベルの高さにたいへん驚かされました。また、発明工作では、全グループで異なり、多様な課題が見いだされたことから、子供たちの発想力のたくましさに、たいへん感服いたしました。日ごろから「ものづくり」に親しむ環境にあり、そのうえで手先が器用な子供が多いことから、発表された作品は、素晴らしく、面白く、そして細部にまでこだわりがあるため、みている私たちも非常にたのしかったです。
少年少女発明クラブの皆さまと、とても有意義な時間を過ごすことができ、たいへん感謝しております。
栃木
知的財産特別授業「栃木県立宇都宮工業高等学校」
- 日時
- 2023年4月19日(水) 13:35~14:25
- 対象者
- 高校1年生 320名
- 会場
- 栃木県立宇都宮工業高等学校
- 講師
- 若﨑 義和
- 授業
- 知的財産全般について身近な商品を例にして説明しました。特に、知的財産権制度については、その存在意義を生徒に考えさせながら少し時間をかけて説明するとともに、知的財産権の種類とその特徴についての重要項目を説明しました。また、学校側からの要望に基づき特許権、実用新案権、意匠権、商標権、育成者権、地理的表示について県内の事例をできるだけ取り上げて説明し、今年度は著作権についても基本的な内容に限られましたが少し触れるようにしました。そして、知的財産権の取得方法を説明した後、知的財産権制度がわが国の産業・文化の発展に寄与することを再度確認し授業をまとめました。
■ご依頼者様のコメント
今年度から知財特別授業の担当教諭が代わり、初めて日本弁理士会が提供する授業をお聞きになられたそうですが、丁寧な講話で授業内容も大変興味深かったとの感想をいただきました。また、来年度も依頼したいとのことでした。
■担当講師の感想
生徒は入学間もないこともあり、一切の私語もなく真剣にメモを取りながら聞かれていました。最後に質問を受ける時間を取りましたが、最も簡単な説明で済ました著作権についての質問でした。生徒にとって一番身近なものですので来年度は学校とも相談し著作権の話を増やすことを検討してはどうかと思います。